「でも、別の言い方にすれば、菅原は素直だから。菅原のいいとこをつぶしたくなかったんだろうな」

「私の、いいとこ……?」

「言ったろ? 指導中に。大事だって」

そういえば、言ってた……。


「……俺は菅原みてぇになれねぇから。だから、マジに大切にして」

「へっ?」

「だから。……あ。……っ、だから、菅原がいると、俺も素直になれるっつーこと」

 ……へ?

私はまじまじと本多君を見つめた。


暗くなってて、ライトに照らされてる本多君の顔。

透き通るような美白な肌に、反射されててわからないけど。

ほんのり、頬が赤くなってる気がした。