「何で?」

「え、な、なんで……?」

「さすがに重いやつは無理があっけど。でも俺、未良の風邪ぐらいなら、移っていいって思ってる」

「え……?」

しばらく、私たちは見つめ合った。


というか、私は呆然としてしまっていて、本多君が一方的に見つめてくる感じだけど。


「……っ。あー、もう!」

どれくらい、そんな状況が続いてたんだろ?


沈黙によって息苦しくなったのか、本多君は頭をガシガシと乱暴にかいた。

そして気のせいかもしれないけど、頬をほんのり赤く染まってるような……。