「未良が風邪引いたっつーから、下校したらすぐに来たんだぜ?」

「そうだったんですか……」

本多君は自分のことなのに、笑い飛ばした。


そこまで、私のことを心配してくれたんだ……。


「……! あ、あの……っ」

「ん?」

「ちっ、近いです……っ」

今、思えば、本多君との距離が近い……っ!


「そ?」

「風邪、移っちゃいます……っ」

顔を背けて、なんとかその事態から免れるようにする。


けど……、顎を持たれて、無理やり向き合わせられる。