計り終わったので、本多君に体温計を渡す。


「……ん。熱は7度7分か……。何か、飲むか?」

「……あ。お水、いいですか……?」

「わかった」

本多君はお水を取りに、部屋を一旦後にした。


まさかお見舞いに来てくれるなんて、思わなかった。

こんなときだけど、会えてうれしい……。


「冷蔵庫ん中で良かったか?」

「あ、はい……」

本多君の手には、水の入ったコップが握られていた。

私はそれを受け取る。


「ありがとうございます……」

「いーや。彼女が風邪引いてんのに、ほっとけるわけねぇじゃん」

本多君はそう、首を振ってくれた。