「ふんふんふーん♪」
あ、こんにちは。
僕、山本 漆。
僕って行ってるけど、生物学上は女。
今日は転入1日目。
あ、王道の小説じゃないから、初日から遅刻とかしてないし、迷子になって王子様が…とか無いから。
迷子になったけど、野生の勘でたどり着いたよ、職員室。
「せんせぇー、つまんない。何か一発芸して」
先生と打ち解けた後、早目に着きすぎたから暇になった。
だから先生に無茶振りさせてみよーと思った…のに。
「先生は暇じゃないんだ!お願いだから、静かにしていてくれ!」
…てな感じで、断られた。
…ので、先に教室に行くことにした。
「1年、2組ー。どこだろー」
この学校、広いなぁー
どこの城やねん、って感じだよー
教室を探して三千里ー
まだ着かなーい
無駄に広いしー、税金の無駄遣いだよー
…歩き始めて10分。
やっと見つけました!
イェーイ
――ガラッ
と開けてー
―――バタン
と閉める
あれれ、ここ、学校だよね。
扉開けたら、女の子達が「うふふ」「あはは」ってしてたよ。
「あら、そこ、避けてくださる?邪魔でしてよ」
え、何コイツ。
「ちょっと、聞こえてますの?邪魔と申しているのですけど」
「ひぃぃぃいっ!ごめんなさい!避けるから、鬼のような形相で睨まないでっ」
「なっ、鬼?! 失礼にも程がありますわ!」
うわわ、もっと酷くなった!
たぶん、般若…?
「まぁ、私は心が広いので許して差し上げますわ!」
うっわ超上から目線…
「私、橘 蜜樹と言いますわ。貴女は?」
橘…
橘財閥のご令嬢…かな。
「僕、山本 漆。よろしく」
「漆ちゃんとお呼びしてよろしいですか?」
こうゆうとこ、お嬢様なんだよな…
「いいよぉ~…」
「私のことは蜜樹とお呼びください」
いやいや、さすがに呼び捨ては…
「蜜樹ちゃん、でもいいかなぁ~?」
「もちろんですわ!」
ってな感じでお友達になりました、まる。
(作文になっちったよ)
「山本ッ!!おま、ハァハァ、勝手に、ハァハァ」
先生が走りながらやって来た。
一言いいます。
「先生、キモチワルイ」
「おま、真顔で言うなよっ!傷つくだろ?!」
先生が傷ついてもカンケーないし。
「…はぁ。朝礼始めるぞ。橘、早く教室に入れ。山本は一緒に教室入るぞ」
「え、ドアの前で待つんじゃないの?」
「それ、多分ドラマだけだぞー」
…ショック!!