「茉侑香よかったなぁ今朝話してた南条さんが目の前に現れて」

「本当にびっくりした」

「茉侑香がここまで緊張する姿初めて見たよ」

「南条さんの演技に惹かれて…」


初めて南条 健を見たのは去年のドラマからだった。

台風でスタジオに行けなかったときにゴロゴロとテレビを見ていたらいつの間にかドラマが始まっていて、その中で脇役として出ていた南条さんを見てなぜか惹かれた。

自然に…本当に自然に演技をする南条さん。
このドラマが彼の実生活じゃないのかと疑うほど自然だった。

そして、また別の日今度はバラエティーで彼を見た。

いろんな表情をする彼はどれも魅力的で今まで使わなかったお小遣いやお年玉を使って【南条 健】と入力するだけで彼の出ているどんな番組でも撮ってくれるというブルーレイレコーダーを買った。

どうしてこんなに惹かれたのか未だにわからないけど今このスタジオに本人がいることは間違いないことで私がアシスタントとして教えることになった。


「茉侑香、まーゆーかー」

「はい!」

「気を抜きすぎ、南条さん着替え終わったぞ」

「あ、すいませんでした」

両手で頬を叩いて気持ちを入れ替えた。