いつもと変わらない学業をこなして私は昇降口で一星を待った。

別に付き合っているわけじゃない。
幼馴染で同じクラス。
一緒に帰るのは同じダンススタジオに通っているから。


「なぁ一緒にダンス習いに行こうぜ」

小学生の時にそう一星に誘われて親も一星君と一緒ならと快諾してくれた。

「あの…北村先輩ですよね?」

「そうだけど?」

2年生だとわかる赤のリボン。
でも、知らない女子。

心の中で過ぎった一言「またか…」

「あの…えっと…北村先輩は一星先輩と付き合ってらっしゃるんですか?」

「はぁ…」

この手の質問は昔から嫌というほどされてきた。
幼馴染が仲良くしてて付き合うなんてみんなマンガやドラマの影響受けすぎだよ…。

「一星とは幼馴染って言うだけでそれ以上の関係でも以下の関係でもないよ」

そう言うと、途端に明るい表情になり「ありがとうございました」と一言残して帰って行った。

これもいつもと変わらない日常。