わたしは山丘くんが好きだって自覚してる。

最初はこのドキドキが何なのか分からなかった。

けど、恋愛経験ゼロのわたしでも少女漫画というやつで恋愛感情は熟知しているつもりだ←

きっとこの苦しいくらいのドキドキする胸の高鳴りは恋に間違いない!

そう思ったわけだ。


「本当大丈夫?」

自分の世界に入っていたわたしを呼び戻す山丘くん。

「え?あ.うん!!」
「それより何で今日は一緒に帰るなんて…」

1番の疑問をぶつけてみた

「あぁ。それね!う~ん強いて言うなら桜木さんのこともっと知りたかったからかな。」

あっけらかんと言う彼。

わたしはまたドキドキする胸の高鳴りを抑えようと必死だった。

「そこで桜木さんに質問なんだけど!何でおさげにメガネなの??」

やっぱ気になるよね…

「ほら。ポニーテールとかおだんごとか色々あるのに何でおさげなんだろうと思って」

また無邪気に笑う彼。


「他の子みたいにわたしは可愛くないしあんなの似合わない…から。」

「ふ~ん。他の子みたいね..」
「じゃあメガネは?コンタクトにすればもっと可愛いのに。」


「わたしなんかにコンタクトなんて似合わないよ!不細工だし素顔なんか見せらんない。」

わたしは自分の全てがコンプレックスだった。

名前も顔もスタイルも全部


山丘くんはただ、
「ふ~ん。」
としか言わなかった。