あ.山丘くんがわたしに手を振ってる。

わたしは駆け寄ろうと山丘くんに手を振り返したのに山丘くんはわたしに背を向けて行っちゃう。

待って!

「待って!」

目を開くと回りにはテレビにパソコン。そして漫画を手にびっくりしたようにわたしを見る山丘くん。


夢だった。


「良かった。大丈夫?」

「…うん」
ここはどこなのか
そしてなぜわたしは
ここにいるのか…

察したように山丘くんは答えてくれた。

「びっくりしたよ!急に倒れるから。ごめんね?気分悪いのに付き合わせちゃって…ここネカフェ。」


あぁそうだ。
山丘くんと一緒に帰って舞い上がって倒れちゃったんだ。

我ながら情けない。

「ううん。わたしこそ迷惑かけちゃってごめんね!?」

「いいよ。俺も読みたい漫画あったし!」

そう言ってまた山丘くんは漫画を見せながらニコッと笑った。


あぁほら。
またドキドキが