その日から毎日昼休みには隣に山丘くんがいてじーっとわたしの作るネイルを見つめたり話しかけたり。そしたら次第にわたしは山丘くんと話せるようになったんだぁ。


そして今日の昼休みも。


「今日はなんのネイルつくるの??」

チップに水色を塗っていくわたしを横目に恒例の山丘くんからの質問。

「えっとね!もーすぐ…夏でしょ??だから夏をイメージしたチップをつくろうと思って!!ね??」

話せるようになったと言ってもしどろもどろのわたし…

「クックッ」

ほらやっぱり山丘くんは笑う

「やっぱりわたし話すの下手だよね!?」

泣いちゃいそうになるのをグッと堪えた。

「いやぁ?別に。」

山丘くんの素っ気ない返事を聞き半泣きで作業を再開。


「一生懸命で可愛いと思っただけ。」


ふいに聞こえた透き通った声。
甘くて耳がくすぐったくなるようなセリフ。


わたしは固まった。

多分、顔を真っ赤に染めて

そしてまた、
「クックッやっぱり桜木さんは面白い。」

彼は笑った。