もうダメだ



「やめろ」



低いドスのきいた声…



だれ?


わたしはゆっくりと涙でぬれた顔をあげた。


華の取り巻きを制しするように肩を掴んでいる山丘くん。

「お前のがブスだわ」



いつもの山丘くんから想像出来ないセリフ。

ドスのきいた声

あの透き通ったいつもの山丘くんからはかけ離れていた


教室が静寂に包まれる


さっきまで笑っていたクラスメートは誰1人笑わない



そこでチャイムが鳴った。


気まずい感じを残してみんなそれぞれの席へと散っていく

山丘くんも静かに席につく


華の取り巻きは呆然として今にも泣き出しそうな顔でわたしから離れた。