1人校門を出るが辺りには誰もいない。


山丘くんの姿も
華の姿もない。

部活もとっくに終わってしまったようだ。


誰もいないと怖い…

まだ日が長く空が明るいのがせめてもの救いだ。


早く家に帰ろう!

そう思うのだけど気持ちが沈み足取りも重くなる。


すると前方にいつも目で追って
見慣れた背中が現れた…


山丘くん?

隣には誰もいない

華もいない。


わたしは夢中で駆け出した


「やーまおかくーん!!」

精一杯の声で叫んだ。

彼は困惑気味に振り向く。

わたしは息を切らし山丘くんのもとへ。

「ハァッハァッ…よかッったぁ」

「どうしたの?クックッ」

あ、笑ってる。


息を整え

「…ッ仲直りしたいと思って」

静かに答えた。

「相変わらず桜木さん面白いね。」

またニッコリ笑顔。


あれ?
「怒ってないの?」

「フハハハハ!アハハハwあんなので怒るわけないじゃん」

大爆笑する山丘くん

わたしは状況を掴めない。

「桜木さんがあまりにも面白いからいじめてやろうと思ってw」

拍子抜けだ。


あれで呆れられたと思った。

数日間昼休みには現れない
わたしの存在なんかスルーで


安心したと同時に



ムカついた

「ひどいよ!わたしッわたしずっと見捨てられたんじゃないかって不安でッ今日だってはn…ッ!?」

思わず華のことを罵倒するところだった。


そうだ…仲直りしても華のことがある。


「今日だって何??」


「…今日だって、無視してひどいよ」

いま絶対ひどい顔してる

顔を上げられないよ…

さきほどのことを思い出すと涙が止まらなくなる。

彼の前で泣いちゃいけない



迷惑をかける…


それを察したのか山丘くんはそったわたしの頭に手を置いた

「ごめんやりすぎた…今日で止めるつもりだったんだけど、今日はやたらと華が離れなくってよw」