そして山丘くんがゆっくりとわたしのメガネに手をかけた。


その瞬間ドキッとした

血の気が引く感じ

「うわッ!?」

わたしはとっさに山丘くんを突き飛ばしていてメガネを外されるのを阻止したはずがその弾みでメガネが外れてしまった


メガネは突き飛ばした山丘くんの手の中。

「いってぇ」

山丘くんが痛そうに立ち上がる

わたしは顔を伏せ
「ごめんなさい!!」
と謝ったのに…


「桜木さん?謝る時は相手の目を見て謝らないと。」


怒られてしまった。

でも、絶対に顔は上げられない


「ごめんなさい」

「だから俺の目見てよ」

「出来ないよ」

「どうして?」

「…汚いから」

「桜木さんの目、綺麗だったよ?」

「嘘よ!!そんなお世辞いらない!」


彼を怒鳴ってた。

「ハァ」

ため息なんて吐いてわたしは呆れられちゃった?

「分かったよ」
そう言って山丘くんはわたしの横にメガネを置いた。

「また明日な。可憐」
わたしの頭に手を置いて彼は教室を出て行った。



もう終わった。


彼を突き飛ばして彼に呆れられ見捨てられた。

本当に失恋だ。


でも、もうその覚悟だったし


悲しくなんか…



ないはずなのに

「何でッ…涙が止まんないだろ…ウッ」