「はい、中村です。」



奥さんと思われる人が電話に出た。



「あの、市川と申しますが、中村先生はご在宅でしょうか?」

「あぁ、市川君ね、ちょっと待ってて♪」



すると携帯の奥から『大和ー、市川君から電話♪』と言うかわいらしい声と、『はぁ?市川!?せっかくの休みに…』と言う不機嫌極まりない声が聞こえた。



「何やらかした!?」



俺は何もしてねぇよ…。



「中先、バイト紹介して♪」

「バイト!?んなのねぇよ…」

「健太先輩が働いてた店は!?」

「あぁ、春輝んとこか…。聞いてみねぇとわかんねぇな。」

「じゃあ今から中先ちに行く♪」

「くんなよ…。」

「じゃあね♪」



電話を切り、俺と拓は強引に数学教師の愛の巣へ行く事にした。