そんなの嫌だ……!




 ――――ん?
 もう一人の俺は、ずっとそんな気持ちだったのか?
 今まで、ずっと……。
 一人で……孤独で……。
 自分の思うように体や目が動かせなくて、声も出せなくて。
 でも植物人間等とは違って意識ははっきりとあるし、心もある。
 そんな状態で、俺が平凡に生きてる十四年間ずっと――。

 そもそも何で、俺の中に二つの人間――魂? ――があるんだ?
 高村麗香の時もだけど。

『――? 何してるんだ?』

「いや、何も――」

 分からない。
 謎が多すぎる。
 手掛かりが無さすぎる。
 こんな謎、かの有名なシャーロック・ホームズでさえ解けないだろう。

 いや、解く方法はある。
 もう一人の俺に聞く事だ。

 でもそんな事……。

「あっ!!!!」

 ――そうか!?
 簡単じゃないか。
 今すぐ話したいんだろ?
 それなら――

「一人睨めっこをもう一度やればいいんだ……」
 
 あまりにも危険であり、無謀な策だった。
 でも、今の俺に選択肢は残されていないから。