部屋は二人ずつだから、あたしはもちろん
彩芽と一緒。
そこで、さっきのことを話してみる。
「莉香、駿哉のこと好きなんじゃない?」
は!?ありえない、ありえない。
そんなこと、あるわけない!!
でも、さっきのモヤモヤは何なの?
あれからずっとモヤモヤしてる。
彩芽が言うように、駿哉のことが好きなのかな。
恋なんてしたことないからわかんないよ。
次の日も自由行動。
今日はちょっとした遊園地に行くんだ。
結構楽しみだったりする。
それにしても、まだモヤモヤしてる。
「なぁ、お化け屋敷いこーぜー」
「いいねぇーいこいこっ」
勝手に話を進めてる、一輝と彩芽。
「彩芽は俺とだよな??」
「うん!莉香ごめんね」
は!?あたしまた駿哉と二人なの!?
信じられない。
「莉香いこーぜ」
今、初めて名前呼ばれた気がする。
ちょっと嬉しいかも。
てか、さっきから心臓がうるさいんだけど!
なんなの?駿哉に会ってからずっと変;;
ずっとドキドキしてる。
ちょっと待った!!
ドキドキしてる?
駿哉に…。
どうしよう。
あたし、駿哉が好きなんだ。
修学旅行も無事終わって、今は夏。
駿哉を好きだと気づいてから、一ヵ月が経った。
あれから、あたしは駿哉とよく喋る。
男子では1番話してるかも。
「莉香、いいかげん告ったら?」
「うん…。」
そう、あたしは今告白しようかどうか迷ってる。
せっかく仲良くなれたのに、告ってふられたら
今までの関係すらなくなるかもしれない。
「でも、振られるの怖いし。」
「そうやってたらいつまで経っても始まらないでしょ!」
「わかった、告ってみる。」
こうして、駿哉に告ることを決めたあたし。
その日の放課後、駿哉への手紙を彩芽と書いた。
Dear 駿哉
突然の手紙でごめんね。
今日はどうしても伝えたいことがあって
この手紙を書きました。
あたしは、駿哉のことが好きです。
もしよかったら、付き合ってください。
返事待ってます。
From 莉香
次の日、駿哉に手紙を渡した。
その日の休み時間、駿哉に呼び出された。
「手紙ありがとう。」
「お前の気持ち凄い嬉しい、
けど、ごめん。」
「俺、好きな人がいて…。
お前のこと嫌いなわけじゃないから。」
ヤバイ、泣きそう…。
でもここで泣いたらダメだよね;;
笑顔でいなきゃ。
「わかった。ありがと!ごめんね。
」
精一杯の笑顔を作ったつもり。
出てきた言葉はめちゃくちゃだけど、
今気持ちを緩めたらないちゃうから。
そのままあたしは、彩芽のところに向かった。
「彩芽、ふられちゃった;;えへへ
やっぱあたしじゃダメだったね。」
「莉香、よく頑張ったね。
無理して笑わなくていいんだよ。」
それからあたしはしばらく、
彩芽の胸に顔をうずめて泣いた。
彩芽はずっと抱きしめててくれてた。
あたしは幸せ者だ。こんな友達がいて。
彩芽の友達になれてよかった。
文化祭のシーズンがやってきた。
その頃だった。
駿哉に彼女ができたのを知ったのは。
いろんな人に聞いてわかったこと。
駿哉の彼女は、結華。
結華は小学校が一緒で、彩芽の次に
仲良かった友達。
三人で遊んだこともある。
もちろん、あたしが駿哉のことを好きで
告ったことも、振られたことも知っている一人。
正直いって辛かった。
結華は友達だから、応援しなきゃいけないのに
素直に応援できない。
あたしはこんなに好きなのに。
何であたしじゃダメなの?
あたし、駿哉のためならなんでもする。
何でもできるんだよ?
だから、応援するしかないのかな。
あたしが駿哉のためにできること。
やっぱり、応援しかない。
例え、駿哉があたしと付き合ってくれたとしても、
駿哉には大切な人がいるんだもんね。
そしたら、あたしだって辛いし、
何より駿哉が辛い。
あたし、駿哉の笑顔が一番好きだ。
あたしといたって、駿哉は幸せになれない。
だから、あたしは駿哉の幸せを選ぶことにする。
駿哉の笑顔見てれば、
あたしまで幸せになれる気がする。
だから、応援するよ?駿哉。
こんなにも好きなのに諦めるんだから、
幸せになってよね?