文化祭のシーズンがやってきた。
その頃だった。
駿哉に彼女ができたのを知ったのは。
いろんな人に聞いてわかったこと。
駿哉の彼女は、結華。
結華は小学校が一緒で、彩芽の次に
仲良かった友達。
三人で遊んだこともある。
もちろん、あたしが駿哉のことを好きで
告ったことも、振られたことも知っている一人。
正直いって辛かった。
結華は友達だから、応援しなきゃいけないのに
素直に応援できない。
あたしはこんなに好きなのに。
何であたしじゃダメなの?
あたし、駿哉のためならなんでもする。
何でもできるんだよ?
だから、応援するしかないのかな。
あたしが駿哉のためにできること。
やっぱり、応援しかない。
例え、駿哉があたしと付き合ってくれたとしても、
駿哉には大切な人がいるんだもんね。
そしたら、あたしだって辛いし、
何より駿哉が辛い。
あたし、駿哉の笑顔が一番好きだ。
あたしといたって、駿哉は幸せになれない。
だから、あたしは駿哉の幸せを選ぶことにする。
駿哉の笑顔見てれば、
あたしまで幸せになれる気がする。
だから、応援するよ?駿哉。
こんなにも好きなのに諦めるんだから、
幸せになってよね?
振られてから、まともに駿哉とは
話してない。
話したいけど、一度振られてるのに
迷惑だよね…。
それから、駿哉とは話す機会がないまま、
1年生が終わった。
うちの学校では、2年生のときにクラス替えがある。
今年も一緒になれるかな。
話せなくてもいいから、
せめて、同じクラスになりたい。
いよいよ今日は、クラス発表の日。
始業式の後、クラスが書いてある紙を見に行く。
「では、皆さんクラスを確認してきてください!」
主任の言葉でみんないっせいに掲示板へ向かう。
あたしも自分の名前をまず探す。
えっと、夏井…
あった!!
2組だ。
2組のところ全体を見てみる。
ん!?
斉藤!?
斉藤って駿哉じゃん。
もう一度見る。
やはり、斉藤駿哉と書かれている。
夢みたいだ。
それに、彩芽と一輝も一緒。
一樹とは旅行以来よくつるんでる。
あたしが駿哉を好きなことも知っている。
なんか、楽しいクラスになりそう!
担任は、大蔵って先生で
デブでハゲでうざそう;;
まぁ、担任なんてどうでもいいや!
そして、今日は席替え。
彩芽たちと近くがいいな。
駿哉とは近くになりたいって気持ちもあるけど、
気まずいから、なりたくない気もする。
そして、クジをひいた。
あたしは、窓側の一番後ろ。
日当たりいいし、昼寝できるし最高。
隣は誰だろう?
「よっ!よろしくなー」
大好きなあの人の声。
あたしまだ、夢みてるのかな?
「おーい、聞こえてる?」
顔の前で手を振る駿哉。
こんなことある!?
でも、駿哉は普通に話しかけてくれた。
嬉しい。
泣きそうかも。
それから、私と駿哉は結構話す。
かなり嬉しい。