暗闇の中、走って走って
とにかく逃げた。

何処に行けばいいのかなんて分からないのに
取りあえず車から離れたくて…。


大地さんの呼ぶ声が聞こえたけど
振り向かず逃げた。

手に握りしめてた携帯を取り出すと
慎吾クンに電話をした。
…早く出て。

「絢佳!?何処に居るんだ??!!」

慎吾クンの声を聴いたら安心したのか
涙が止まらない。

「絢佳??どうした…??」

「慎吾クン。助けて……」

何て話したらいいのか
何から話せばいいのか分からなくて
声が出ない。

「今何処にいるんだ??」

「キャンプ場じゃないの。
大地さんに車で連れてかれて…」

「…大地!?絢佳、とりあえず
そこを動くな。周りは明るいのか?」


辺りを見渡したが何もなくてわからない。