目を覚ました絢佳の手首を掴み
「大丈夫か?」と尋ねた。

絢佳は自分の手首を見ながら
大丈夫…。と小さな声で言った。


まだ痕は消えていない…。
それと同じ位 ショックも消えていないだろう…。

俺は座ったままの絢佳を
抱き寄せて「もう大丈夫だから」
と一言だけ言うと
絢佳は声を出さずに泣いていた。




「来てくれて…ありがとうね。
…怖かった…よぉ……。
ヒック…槙吾くん……。
……でもね…ヒック…彼……
最後に……言ったんだ…。」



泣きながらも話そうとしてる
絢佳の背中をさする。


「最後に…?なんて…?」