「草太さん………どこに行くんですか?」


草太さんは私を抱えたまま歩きだした



この方向は空雅と双海さんがいる


「止まって下さい!」


「嫌だ」


「でもこの先には」


「2人がいる。だけど音彩ちゃんはそれでも空雅を好きでいるって決めた」


「それは………そうですけど」



やっぱり見るのは辛いよ



「音彩ちゃん。空雅はほんと不器用な奴だよ」



草太さんは今までにないくらい優しい笑顔で



「好きな人には笑って欲しい。心から願うから、空雅ときちんと話をして」



私を送り出した