「婚約するんだ。正式に許可は貰ってないが」



聞きたくなかった



「私と………別れるんですか?」



涙で視界はぐちゃぐちゃ



空雅の表情なんてわからない



「最後まで聞け」


「……………はい」


すると急に



「え?」



左手の薬指に冷たい感触



涙を拭い目に入ったのは



「誕生日おめでとう」



「あ………今日誕生日でした」



ダイヤがキラリと光る指輪


どうして指輪なんてプレゼントするの?



空雅の考えがわからない