勝と啓介の見事なほどの絶句。
「ねっ?あたしドラム担当で、啓介は……ベースとか!」
「おい結衣夏!なんだそのバッド!えっ、金属じゃん!昨日まで木製だったじゃん!」
「何でレベルアップしたんだよっ。……しかもこれゼビオに売ってなかったレア物じゃん!」
………………ん?
「え?もしかしてバンドの話じゃなくて、こっちにびっくりしてたの!?」
あたしがそう言いながら、二人が夢中になってる金属バッドを放り投げた。
「あ゙ーーーーーーっ!!!!なにしてんだお前!!!バッドがーっ!!」
「うるっせー!勝、だからバンドやろーよ!」
「バンドだぁ!?何だソレ聞いたことねーよ!」
勝の目は充血して、いかにも熊に半食いされたような顔をしている。
「うそつけゴラ!一番ファンキーそうなお前が分かんねー訳ねーだろ!」
「俺は野球がしたいんだ!」
「じゃあ野球部入れば良かったじゃんよ!」
「趣味でっ!!」
「野球すんのに趣味もクソもあるかっ!だからなんでバンド知らねんだよ!」
「興味ねんだよっ!!」