目の前で葵は右手を差しだし得意気に笑っている。



渋々ケータイを開く。
「…………………。」


また。やってしまった…。



葵のいうラブメール……の数々。


昨夜の記憶が全くない。

これも毎日のこと。



相手は…一ノ瀬蓮。
私の中では『いちご』。
いちごは私だけの。


一ノ瀬蓮は………


「蓮くん。おはよぉ。」

「はよ。眠いよ~。」



「蓮ー宿題やったか?」

「当たり前やん!!
俺だもん。

なんちゃってー★」



「部活おつかれー。」

「山TもドSだよな。
朝から6分間走10本だぜ?」


1人1人に明るく キラキラした笑顔を向けながら部活から帰ってくる。


これが一ノ瀬蓮。
『皆の』蓮くんだ。