「きゃぁあぁっ!!」
波江は耳を押さえ、床に泣き崩れた。
きっと携帯の声が洩れていたんだろう。
あたしは携帯の電源を切り、
二つに折った。
ピンポーン―――
鳴り響くチャイム。
誰もが口を閉ざした。
唾を飲み込む音が、聞こえそうだった。
ピンポーン―――
再び鳴るチャイム。
「誰だ……?こんな時間に……」
重い空気を、悠季君が破った。
誰もがそう思っているはず。
時計の針は、深夜の4時を指している。
そんな時間に誰なのだろうか。
みんなその答えを知っていた。
ピンポーン―――
ピンポーン
ピンポーン