その時だった。
すみれ組のドアがカラカラと開いた。
「すみません!遅れました!」
と、声がした。
振り向くと、そこには
空くんのお父さんが立っていた。
雨にスーツが濡れていて、
とても寒そうだ。

空くんは、お父さんに嬉しそうに
駆け寄って行く。
「パパー!」
お父さんは、
空くんを抱きかかえて頬ずりした。