その夜。

翔さんから連絡があった。

『…こんばんは。』

「こんばんは。」

『今日はありがとう。
おかげで楽しかった。
なんせずっと思っていた人と
付き合うことになったし。』

「いつから、
私のこと思っていたんですか?」

『こら、敬語はなし。
…もちろん、あの雨の日だよ。
あの時、初めて君を見た。
今まで気づかなかったのが
不思議なくらいだよ。』

「私は、結構
職員室にいることが多いから。」

『そうなの?』

「あの日は、
先輩保育士さんがお休みで
色々やることもあって
クラスに残ってたの。
もしそうじゃなかったら
まだ出会ったのは延びていたかも。」

『そうだったのか。』

「あの日に会えたのは
ラッキーだったんだよ。」

『あぁ。そうだね。』

そんな他愛もない話をして、
電話を切った。