「あっれ?那智帰ったんじゃないの?」

「仕事まだ残ってましたから」

那智の表情の変化に気づく

あれれ?

どうしたポーカーフェイス北条那智

なんかこいつ……

てか絶対
冴慧ちゃんとなんかあったなこりゃ

「さぞ嬉しかろうっふふ」


俺は含みのある言葉で言った

「なんなんすか彼方先輩」

怪訝そうな那智
ほんの少し動揺が見える



「こんな時ににやにやすんなや変態会長
まさかさっき綾瀬波美に告られたんかや……?」

「会長最低…だからさっき波美とかいう子をかばったわけ?」

ヒートアップする雅と杏ちゃん

「…でもよぉ 今俺らがどう足掻こうと もう冴慧は…」

「……陣」

柄にもなくへこんでいる陣に俺は何を言っていいかわからなかった

こんなにも短い期間でこんなにも冴慧ちゃんの存在が大きくなってたんだな

でもわかる
大丈夫 大丈夫

冴慧ちゃんならきっと大丈夫だよな?

ただの予感 直感

「彼方さん何を企んでるのですか?」

「ん?んー」

千歳の不満そうな声に適当に相づちをうちつつ仕事を黙々と進めた