あたしは波美のもとへ歩みよった

「彼方先輩のことも嘘だったの?あたしのために泣いてくれたのも嘘だったの?……ねぇ 友達だっていってくれたのも嘘だったの?」

あたしは勢いにまかせて思いをぶつけた

「………全部嘘だよ」

覚悟していたもののショックだった

「彼方会長は冴慧のお人好しを利用して生徒会に入りやすくするための嘘
愛美に冴慧をレイプさせるように匿名の手紙を書いたのもあたし」

「……っ」

「ただ………」

波美は少し笑った

「冴慧のことちょっとは友達だと思ってた 美和と菜月と4人でいた時間は嫌いじゃなかった」

「え…?」

「『友達ごっこ』も悪くなかったのよ だから……」

波美はいつものように笑顔をむけた

「冴慧ちょんは生徒会に戻りなさいよ」

今までのことを謝られたわけじゃない

嘘をついた波美のことを許したわけじゃない

波美の悪戯も
波美の友達ごっこも……

もう大丈夫だよね?

波美の笑顔を見てそう思った

愛に飢えた女の嫉妬は醜い

悪気はない
ただ愛がほしいだけなんだ

「波美……あんたのこと一生許さない」
「……。」

「責任とってもう少しだけあたしと友達ごっこしてよね」

あたしは波美に背を向けて走り始めた

「…っありがと」