あたしは教室にむかって歩きだした

「はぁ……」

嫌々入った生徒会
やめれてよかったはずなのに…

「何迷ってんだあたし」

自分がよくわかんないや

やめるのは誰のため?
波美のため
自分のため…

やめないのは誰のため?

……自分のため

矛盾していた

「冴慧?」

聞き覚えのある声に顔をあげる

「なんだ陣か…」

そこにはあたしの顔を不思議そおにのぞく陣

「なんだってなんだよ 冴慧なんかあったか?」

「なんもない」

あたしは陣の横を下を向いたまま通りすぎた

「ちょっと待てよ冴慧っ」

陣があたしを呼び止めた

「なぁによ…」

「悩み事あんなら相談くらいしてくれたっていーじゃねぇかよっ」

すたすたと歩くあたしの後ろを陣が小走りでついてくる

「おいっなんとか言えよ そんなのお前らしくねぇぞ」

あたしは足をとめて振り返った

「『あたし』らしいってなに?」

「…え?」

「陣はあたしのことなんでもわかるわけ?」

「それは……」

あまりの気迫にたじろぐ陣

「だったら……そう簡単に相談しろなんて言わないでよ」