「苗字に方角が入ってる」

「ご名答」


彼はにっこりと微笑んであたしの頭を撫でた


「だから冴慧ちゃんじゃなきゃいけないんだよね」


会長さんが頬杖をつきながらぼやく


「俺らはずっと『東』がつくやつを待ってたんだよ」

陣が言った


「そこに運よく転校申請しにきたわけさ 冴慧ちゃんはここに入るべき人なんだよ」

会長さんは真剣な表情で告げた


「まぁ 学園長の趣味なんだけどね」

「………。」


趣味かよっ!!

言い返す言葉がない


「北条那智」

「ん?」


那智……がうしろで突然言った


「俺の名前だから」


視線がぶつかる


「よろしく」


あたしは頷いた

めっちゃクールなんだなぁ


「そぉいうわけだから決定でいいんじゃね?」


陣が叫んだ


「じゃあ冴慧ちゃんには書記をやってもらうからそのつもりでいてね」


「あの…会長さん」

「ん?」


会長さんに身体を向けなおす


「方角の繋がりはわかりました あたしが必要なこともなんとなくわかります でもあと4人はなんの繋がりがあるんですか?」


「はいっ そこはあたくしから説明いたしますわ」