「何つくったの?」

あたしはクッションを抱えたままテーブルに移動した

「すっごい自信作なんだよ♪名付けて波美スペシャルパスタ」

「どれどれ?」

あたしは皿を覗き込んだ

ん?
何これ……

「波美……何作ってくれたんだっけ?」

「パスタだよ 見ればわかるじゃん」

自信満々に答える波美
だけどあたしの前に置かれているのは……
黄色いどろどろのスープ?

「はじめてなのにすごくなぁい?あたし天才かもぉ」

「うん……いろんな意味でここまでできるのはすごいよ」

呆れるあたしには興味がないらしくフォークを手にとる波美

「ほらほらっ冴慧食べてっ試食試食」

自分で食べるんじゃないんかい…

フォークをあたしに差し出しながら笑顔の波美

あたしは腹をくくった

いざ…勝負

「いただきまぁーす」

フォークよりもスプーンのほうがいいんじゃないかな?

そんなことを考えながらパスタ?をやけになりながら口に運ぶ

「どお?まいう~?」

あたしのコメントを急かす波美の声が遠くなる

あ…あたし 死んじゃうのかも

完全にノックアウト

「…………激まずなんだけど」

見た目どおりの味
殺人スープ

あたしは皿を波美に押し付けて部屋を出た