女の子は壁にもたれ掛かりながら腕を組んだ

「今まで北条君はあたしの物だったのに」

「…なっ」

何が言いたいの?
あたし目撃しただけで直接は関係ないじゃん

そう叫びたいのに口を塞がれていて声が出ない

助けも呼べないじゃん

「あんたなんかいなきゃいいのよ…」

ため息まじりの言葉

「この学校から消えてくれないかな?」

優しい口調
でも目が笑っていない
こわい……
この人こわいよ

「愛美 こいつやっちゃっていいんだよな?」

あたしの腕を掴んでいる片方の男が言った

「…ちょ 何いってんの?」

必死に抵抗するが2人がかりで押さえられていて身動きがとれない

ふざけんな……

「じゃあ 時間ないからさっさとやっちゃってね あたしはそろそろ行くわ 口封じしっかりね」

愛美って呼ばれた女の子はそういうと笑いながら去っていった

「おい愛美」

「ん?」


「鍵かけてけよ」

彼女は不気味な笑みを浮かべた

「じゃあはじめっか」

「暴れんな 優しくしてやるよ 転校生の東城冴慧さん♪」

さっきと違う
もう片方の男があたしの顎を持ち上げた



「……いっ やぁ」


こんな人たちに
はじめては奪われたくないよぉ…

キスだって初めてなのにぃ~~~!!