あたしは勢いで頷いてしまった
「ほんとに?」
ぱぁっと明るくなる杏の表情
「嬉しいな すっごく楽しみだよ じゃあまたね」
杏は手を振りながら1組に走っていった
「はぁ…」
杏の姿が見えなくなった途端に自然と口からこぼれるため息
なんであんなのがもてるのよ…
超生意気じゃん
美和も杏もすごくいい子だし 2人とも陣とすごくお似合いだからどっちにも頑張ってほしいけど…
あたしがこのまま八方美人でいていいわけもないし
じゃないといつかどっちかが…もしくはどちらもが傷ついちゃう
「どうしよぉ」
3組に戻る足が重たい
「東城さんだよね?ちょっといい?」
「…はい?」
廊下を歩いていると正面に女の子が立っていた
「ちょっとここじゃはなしにくいから学習室はいろうよ」
「…え?なんなんですか?」
いきなり後ろから知らない男子に肩を掴まれた
そして気がつくと人気の少ない部屋に連れ込まれていた
「な…なにすんの」
「あんた目障りなのよね 北条君に近づかないでくれない?」
この人たち那智と何か関係あるの?
「あんたが来たせいで北条君は…」
あたし
この人のこと知ってる
たしか……
「あなた 那智と教室にいた…」
「そおよ あんたが邪魔してくれちゃったからさぁ」