「じゃあ♪夏休み楽しみだなぁ」

彼方先輩は嬉しそうに言った

…前々から思ってたんだけど先輩と波美 テンションが似てるような気がする

それにこの人は花火大会で何を企んでるんだ

多少の疑問は残りつつもあたしは生徒会室をあとにした

「冴慧ぇー」

「ん?」

教室に向かおうとしていたあたしのところに駆け寄って来たのは杏

「花火大会 一緒に浴衣きていかない?」

「いいけど」

いつもボーイッシュな杏が浴衣とか珍しいな

「あのねあのね…まだ誰にも言ってないんだけど冴慧にだから言うね?」

杏はそわそわしながら言った

「あたし…あたしね………陣のことが好きなんだよ」

「ふぇ?」

陣?
生意気NO.1の
南波君ですか?

言われてみれば杏の陣に対する態度は彼方先輩の態度とは違った気がする

「そうなんだ」

「だからね?陣にちょっとでも可愛い姿を見てほしいんだ」

「そおだよね」

照れ臭く笑う杏を見ながらあたしは柔らかく微笑んだ

「まだ…告白とかは考えてないんだけどちょっとでも側にいたいの 冴慧 協力してくれる?」

「…えっと」

頭に浮かぶのは美和の顔

でも美和に協力してって言われたわけじゃないしいいよね?


「…いいよ」