「ねぇ~冴慧 龍之助君に渡してくれた?」

「うん♪」

カレーライスに使うにんじんを刻んでいるあたしになっちゃんが声をかけてきた

「やっば……もぉ逃げられないよね」

玉葱のせいかそうじゃないのかわからないけど少し涙ぐんでるなっちゃん

「ここまできたら潔く告るしかないっしょ」

あたしは精一杯の笑顔を向けた

「…冴慧ちょんは告らないのぉぉお?」

「な…波美」

テーブルから頭をちょこっと出した波美がいつの間にか話題に入ってきた

「あんたはいつもいつも…一体全体どこから現れるのよ?」

なっちゃんも呆れ気味

「ふふっ 恋ばなのあるところに綾瀬波美ありなのだぁー」

ウィンクをしながら笑う波美

「あれ?波美は飯盒やってくれてるんじゃなかったっけ?」

「ん?美和たんがやってくれてるぅ~服汚れちゃうもん」

「はぁ?!美和可哀相…ちょっとあたし手伝いに行ってくるね」

あたしは包丁を置いて美和のところに走りながら向かった



「あ…りがと」

「別に気にすんな 悪いのはあいつだし」


あれ?
1人で飯盒をしているはずなのに…

あたしは木の陰から顔を出してこっそりとのぞいてみた

「げ…陣」

そこにいたのは照れ臭そうに笑う美和と陣だった