何かを書いてあたしにメモを押し返した

『3052』

そこに書かれていたのは殴り書きされた数字


「何?」

「俺らのバンガロー」

「なんで?」


陣は一瞬めんどくさそうな顔をしてあたしを手招きした


「拓がさ 江藤のこと好きなんだよ」




同じクラスで陣といつも行動を共にしている要 拓海【カナメ タクミ】

たしかに美和はおとなしくて可愛い

2人はなかなかお似合いなんじゃないかな?…って思う



「でもなんであたしがつれてこなきゃいけないわけ?」



陣の耳に小さな声で言った



「お前ら仲いいじゃんかよ」


それくらいわかれよってか?

余計なお世話だっつの



「待ってるかんな 絶対つれて来いよな」


身を乗り出していた陣はそれだけいって引っ込んだ


「………ふふっ」

「何よ?」



今度は波美に顔を向けた

口に手を添えて意味深な笑みを浮かべている



「いいじゃんいいかんじじゃ~ん」

……なんのことですか?



「南波君の協力するまでもなくなっちゃったなぁ♪」

「だから何が?」


波美はそれ以上何も答えず ただただ楽しげに鼻歌をうたい続けていた