無責任なあたしは最終的に陣まで傷つけた
傷つけた
それでも
那智のことが好きなんだ
「だから……あたしと」
二重人格で俺様で嘘つきな那智のこと
世界一好きなんだもん
「あたしと付き合ってください」
「……。」
しばらくしてあたしは顔をあげた
見ると那智は真っ赤な顔をしていた
「………え?」
いつも冷静ぶってる那智の照れた顔
初めて見た
「………っ」
次の瞬間
あたしの腕を引く
そして
強く抱き締めた
「…………那智」
「顔見んなよ」
たくさん泣いた
遠回りばっかりした
つらいこともたくさんあった
苦しいことも悔しいことも数えきれないほどあったよ?
「俺も………冴慧が好きだ」
でもね………
「後悔してもしらねぇからな」
「うん」
「俺 独占欲強いし 嫉妬深いし 束縛ばっかだぜ?」
「うん」
「また泣かすと思う」
「うん いいよ」
「覚悟しとけよ冴慧 もう絶対離してやんねぇから」
「………もちろんっ 」
あたしが大きくうなずくと
那智は身体をはなした
「でも 嫉妬深くなったのも 束縛したくなったのも冴慧のこと好きになってからだ……だから」