「……。」

「だから……あたしっ


最後まで言う前に那智はあたしを抱き締めた

「那智………」

「お前馬鹿だろ」

「………。」

「うざいんだよ」

そして那智はあたしから身体を離した


「うざいくらい……お前の存在がでかかった」

「…………。」

あたしは那智を見る


「付き合ってんのによそ見ばっかしてた」

「………うん」

「陣とか雅とか蓮とかと仲良くするしさ」

「……うん」

「俺がどんだけ独占欲強いか知らねぇだろ」

「……。」

「ヤキモチやきなんだよ」

那智はあたしの目をみながら言った

「だからさ……俺 お前のこと泣かせるか傷つけるかしかできなかった」

「………。」

だから別れた

これが那智の本当の気持ち

「なのになんで………俺んとこ戻ってきたんだよ」

陣がいただろ?

と那智は言った

あたしは真っ直ぐ那智を見る

「別れて傷ついてたあたしを陣は助けてくれた」

あのときあたしは
誰でもいいから側にいてほしかった

1人になりたくなかった

だから

陣まで離れてほしくなかった

「でも……あたしは那智じゃなきゃだめだよ」

陣を好きになれればどれだけ楽だったろう