「卒業式はじまってるよ?行かなくていーわけ?会計さん」
「うるっせぇ」
「はっはーん 冴慧となんかあったでしょ?」
「黙れっ それより綾瀬こそ卒業式いいのかよ?」
綾瀬は笑顔でうなずいた
「うんっ♪だって彼方先輩の顔みると泣いちゃいそうだから」
「………綾瀬 お前」
「拓の前で泣いたらさっ ばれちゃうでしょ?」
俺にはわかる
好きなんだろうなって
かなり好きなんだってわかるんだ
「2人でさ 卒業式しようよ 南波君」
「なんでだよ 俺らまだ2年だぜ?」
「知ってるし
あたしは彼方先輩から 南波君は冴慧から卒業すんの」
「綾瀬にしてはいいアイデアだな」
どこが好きかなんてわかんねぇし
いつから好きかなんてわかんねぇ
最初はムカつく女って思ってたし
俺 素直じゃねぇから顔あわせりゃ喧嘩ばっかふっかけてた
それでも俺にとって東城 冴慧は今でも1番大切な女で
今でも1番守りたい女だ
「大人になったね」
「いつまでもガキだと思うなよ」
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「………。」
あたしは卒業式が行われている体育館にいる
陣は来てない
どういう訳か波美も…それに那智もいなかった