笑顔の千歳さん

でも先輩の笑顔はどことなく切なげだった

「んじゃっ解散ってことで」

あたしたちは生徒会室をあとにした



「冴慧~おかえりっ 放送聞いたよっ 彼方先輩やっぱ最高だわ」

「波美…二股?」

あたしは笑いながら波美に言った

「違うしねー 違う意味での最高だもん」

「拓いるもんねっ」

「ふふふっ まぁ彼方先輩ほどイケメンじゃないけどね」

「でも波美は年上にしか興味ないのかと思ってた」

なっちゃんが言った

「………まあ 妥協?」

「拓 可哀想」

「冗談だよっ」

波美は両手を振りながら否定した

……半分以上本気に聞こえた

「じゃ…じゃあさっ 今日帰ったら3人でチョコつくらない?」

あたしたちの気持ちを察したのか波美は話を反らした

「いいよっ」

あたしは頷く

「あたしはパスだわ」

「え?菜月なんで?」

「龍之介君のチョコレートはもう作ってあるのです」

ニコッと笑うなっちゃん

最後に「だから今日は龍之介君とデート」と付け足した

「じゃあ冴慧っ 仕方ないから2人で作ろお!!!」

「うん」

あたしはもう1度大きく頷いた

そういえば波美って……


まぁいっか