「はぁ……」
あたしは授業中ずっと陣の後ろ姿を見ながらため息をついていた
……あたしのせいで別れたんだもんね
なんか気分悪いよ
カタッ
隣に座っていた女の子があたしの机に何かをおいた
みると『東城冴慧に回して』と書かれたメモがあった
あたしは回ってきた方向を見る
那智は机に伏せて寝てるみたい
開くとそこにはやっぱり那智の字が並んでいた
『ごめん 今日生徒会いけない 彼方先輩に伝えて』
……なんで直接言わないんだろ
あたしは朝からの記憶をたどる
「あっ」
考えてみればまだ那智と一言も話していないことに気づく
朝からずっと陣のことばっかり考えてたから
あたしは違う紙に
『ごめんね』
と書いて回してもらった
那智は身体を起こしてメモを見た
そして顔をこっちに向ける
しばらくあたしと目を合わせたけどふいっとそらされてしまった
「………。」
怒ってる?
怒ってるよね?
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放課あたしは鈴梛先輩のところにきた
「………というわけなんです」
「なるほど」
あたしは鈴梛先輩を信用しているし 裏切らないって確信してるから全部を話した
那智のこと 陣のこと 杏のこと 蓮君のこと
鈴梛先輩は全部真剣に聞いてくれた