バタン

杏は出ていった


「蓮君あのさ………」

「んあ?」

蓮君は彼方先輩の机に腰をおろした

「………やめといたほうがいいよ 机に座るの」

「いいんだよ 俺が次期会長になんだから」

そっか………蓮君も南波だもんね

「で?なんだよ?」

「なんで……杏にあんなこと言ったの?」

「別になんだっていいだろ」

「よくないよ これで2人が別れたら……あたしのせいだ 」

「ばーか んなことねぇよ」

蓮君は言った

「むしろ逆だろ 冴慧の言葉がなかったら兄貴たちもっとズルズル付き合って もっとつらい思いしてたと思うぜ?」

「……そうかな」

「そうにきまってるって」

蓮君は立ち上がりあたしの頭を何かでポンと叩く

「あ……」

あたしが置き忘れていたファイルだった

「まさかこんなに上手くいくとは予想外だったけどな」

「……蓮君が抜いたの?」

「まあ……ある人のアイデアだけどな」

波美?
それとも彼方先輩?

「俺も同意見だよ」

「え?」

「冴慧には幸せになってほしいってやつ」

蓮君はたくさんあるピアスのうち1つを外してあたしに投げた

「お守り 兄貴が俺にくれたやつ」

「いいの?」

「俺は冴慧のおかげで幸せ見つけたからな」