「なぁんかうまくいかねぇよな」

「何がですか?」

「あるべき形」

俺は空を見上げながら言った

「ん?なんかの比喩かしら?」

千歳は小首を傾げた


「俺はこれでもいいけどさ 冴慧ちゃんたちはどうなんだろな」

「ぁあ…そういうことですか」

千歳は納得したように頷きコトンと俺の前に何かをおいた

「んあ?なんじゃこれ」

缶コーヒーだった

「差し入れですわ 谷塚さんから」

「………。」

「黙らないでくださいよ彼方さん あなたらしくないですから」

「わ…わりぃ」

俺は頭をポリポリかいた

「……どおなるんでしょうね 冴慧さんたちの未来」

「そうだな」

「あと彼方さんたちの」

「………。」

「だから黙らないでくださいよ」

第04章 未来