彼方先輩はすっと立ち上がった
「……わりぃ 後よろしくな」
そう言い残して生徒会室を飛び出していった
「………俺 那智たちんとこ行ってくる」
「じゃあ俺も」
陣と龍之介君も彼方先輩がでていってすぐに屋上へむかった
部屋に残されたのはあたしと千歳さん
「千歳さん あたし前から聞きたいことあったんですけどいいですか?」
「はい なんでしょう?」
「千歳さん彼方先輩のことどお思ってるんですか?」
「彼方さんのこと……ですか」
千歳さんは軽く首をかしげながら言った
生徒会に入ったばかりのころ
あたしは彼方先輩と千歳さんは付き合ってるんだとおもってた
でも……彼方先輩には鈴梛先輩の影がある
だからなおさら疑問だった
「その質問は正直難しいですね……」
千歳さんは語尾を濁した
「あたくしにとって彼方さんは特別ですし 彼方さんにとってあたくしは特別な存在だと思ってますわ でも………」
「でも?」
「相互なだけで お互いにそれ以上でも以下でもないんですの」
千歳さんは今までで1番にこやかに微笑んだ
相互………か
「あたしにはわかんないです」
「冴慧さんにもいづれわかりますわ」
『体育祭実行委員種目はただ今をもちまして終了でーす みなさん運動場にお集まりくださぁい』