「1限終わるまで時間潰そう」


転校した次の日にさぼりとか悪い子ね♪

あたしは人目につかないように階段をあがった


屋上の扉を勢いよくひく

ギギ―

錆び付いた金属の扉は思ったよりも重たくてゆっくりと開いた


初夏の生暖かい風があたしの頬にあたる



「誰や?」


突然後ろから聞こえた低い声にあたしは驚いて振り返る


扉の横にもたれかかりながら本を読んでいる男の子だった


「お前見ない顔やな……1年か?」


あたしの顔を下からまじまじと見つめた


「昨日 転校してきた2年の東城冴慧です」

「とうじょ…あ~生徒会のやつらが騒いどったあの東城やな」


あたしはその場に突っ立ったまま彼をじぃっと見つめた


「何や?俺の名前が知りたいんか?しゃあない……虎臥 雅人」


あれ

どこかで聞いたことがあるような


「あっ?!役員の…」


虎臥雅人

たしか西の白虎かなんかの人



「皆が雅ってよんどるけん雅でええよ」


独特のなまり言葉でそういうと人懐こい笑顔を向けてくれた


「暇やし一緒にボイコットしよおや」