そういってあたしの左手を掴んだ
「おい 蓮っ」
「げっ 兄貴」
蓮君はあたしの手をぱっと離した
振り返るといらいらした様子の陣
「お前……何を考えてんのか聞かせてもらおうか ぁあ?」
指をポキポキならしながら一歩一歩あたしたちに近づいてくる陣
…………こわっ
「そんな怒んなよ兄貴 1日くらいいいだろ?」
そう言ってあたしの肩に手をまわした
「………。」
陣は何も言わずにあたしの手を引いた
「じ……陣?」
「兄貴?」
「ほら冴慧いくぞっ」
「え?あ…うん」
「おら蓮 離せ」
「…………はいはい」
そのままあたしは陣に引っ張られたまま生徒会室にむかった
「東城さん発見」
「あー胸くそわりぃな うぜぇ」
「逃げる?」
「正面突破」
「…………。」
そのあともあたしをつかまえようとしていた人に何度もあったけど みんな陣に蹴散らされた
「ちょ……陣?もう手離してよ」
「うるせぇ」
「………なによ 馬鹿」
「うるせぇって」
陣はあたしの顔を1回も見ないまま歩いた
なによ
いつもみたいに言い返してよ
調子狂うじゃん
「彼方先輩ー冴慧つれてきましたよ」
「あぁ陣 ご苦労さん」
生徒会室には彼方先輩と千歳さんと龍之介君がいた
「あと……那智と杏ちゃんと雅か」
「もうつかまっちゃってるんじゃね?」
「雅人さんとか杏さんならともかく那智さんは大丈夫だと思いますわ」
「うーん………」