「なっちゃんだけが悲劇のヒロインじゃないんだよ みんなみんな辛いんだよ だから………」

あたしは席をたった


「他人に甘えんな」

なっちゃんも波美もびっくりした表情をしていた


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「……波美 ごめんね」

涙ながらに言う菜月

「ううん あたしこそごめん」

横に首をふりあたしは冴慧が出ていった扉を見つめる


……冴慧


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「失礼します」

あたしは生徒会室に入った

あんなことがあったから役員はまだ波美がやってくれている

数日前
彼方先輩からメールがあった

『波美ちゃんが役員を辞退するってさ』

短いメールだった
―辞退するから
あたしは戻ってもいいし 断ってもいい

強制しないメールだった

「冴慧ちゃんお久ぁ」

彼方先輩が笑顔で言った

「お久しぶりです」

「なぁにかしこまっちゃってんだよーみずくさいなぁ」

彼方先輩が手招きをする

「千歳ちょっと席外してくんね?」

「はい」

千歳さんが部屋から出たため生徒室にはあたしと先輩しかいない

「……で どうすることにしたんだ?」

一転 真面目な表情の彼方先輩

「あたし………あたしすごく考えたんですけど……」