想像にふけっていると、もう少しで式が始まる時間に。

ヤバい。こりゃダッシュかな....

あたしの家からは30分くらいで学校に着く。

少しくらい遅れても平気だろうな。

そんなことを考えていると、

「おい、アンタ。」

低めな声が後ろから聞こえてきた。

・・・・・?独り言かなあ、

「聞いてんのか?」

………ん???

「あ・あたしですか・・・?」

恐る恐る振り向くと。

!!!!?

ほえーー…

すっごいイケメン。

女のあたしでもうらやましい長いまつげ。

目は大きいし、肌もきれいで。

すらっとしてて、細身。

学校指定のだっさい自転車だって輝いて見える。

苦笑いしながら、男は言う。

「なんか用ですか?」

「邪魔なんですけど。どいて」

はあ?

歩行者優先でしょうが。

しかもここは右側道路だし。

「自転車は左側通行ですけどー?」

皮肉たっぷりにあたしは言った。

男は苦笑いになる。

「だから、ここ左側の道路。」

「え・・っ」

周りを見ると、道路を挟んで歩道に歩いてる子がたくさんいた。

今日はやけに自転車に会うなあと思ってたけど・・・さ。

やってしまった。

「す.....すいませんでしたあ・・・。あははは....」

言いながらあたしは歩道に移る。


「気をつけろよブス!」


むっ。

なんだアイツ。

もう知らん振り。