──コンコン、

「失礼しまーす…」


開けっ放しの窓からは
白いカーテンが
ゆらゆらと揺れている。

「誰もいないのかな…」

私はちょこんと椅子に座った。


──ガチャ…

「あぁ、来てたの。
いらっしゃい!!
私は、養護教諭の
横田 未加(ヨコタミカ)。よろしくね。
あなた、転校生の
恋…ちゃん?」

「あ、はい。よろしくお願いします」

綺麗な人…

色白で細くて
ショートカットが
よく似合う女性だ。

「けどあなた…大丈夫?」

「へ…?」

「へ?じゃなくて、
ここ、元男子高よ?」

「あ、はい。わかってます。」

「じゃ、覚悟はできてるってことね」

「か、かく…?」

「よし、じゃーいってらっしゃい」

「あ、はい…」


か、覚悟?
よく、意味が分からなかった。