君を愛する

「美咲？　同じクラスだったんだね。すごい嬉しいんだけど」
　親友と同じ高校になったというだけでも嬉しかったのに、まさか同じクラスになるという偶然が重なったのはさらに嬉しかった。
「彩香じゃん。遅刻ギリギリだね。本当彩香と一緒のクラスになれて良かった」
　美咲は私がくる前から一緒のクラスだったというのは知っている感じだった。美咲はちゃんと余裕を持って学校に来ていたらしい。
「うん。目覚まし時計壊れていてさ、寝坊しちゃったんだよね。朝から全力疾走だよ」
　彩香は苦笑しながら言った。しかし、美咲のツボにハマったらしく大爆笑している。
「彩香らしいよ。彩香って少しどんくさいとこあるよね」
「どんくさいってどういうことさ。そりゃあ、美咲から見れば少しどんくさいかもしれないけど……。そういえば、このクラスに他に知り合いっている？」
　美咲にそう問いかけながらクラス全体を見回した。私は遅刻ギリギリで学校に来たため、同じクラスに知り合いがいるかどうかも知らなかった。
「んー、仲がいい友達は何人かいるよ。男子だと修二と秀くらいかな。女子はと里穂と愛恵がいるよ」
「そんなにいるんだ。仲がいい友達が結構いてよかった。もし一人だったらどうしようかと思っていたから。まあ、美咲が一緒なだけでも嬉しいよ」
　そう言いながら私は美咲に抱きついた。美咲は「分かっているから」と嫌そうな顔をしながら離れてしまった。
そうこうしているうちに担任の先生が入ってきたため、自分の席に座りながら先生の顔を確認した。それと同時にクラスの女子からは歓声があがった。意外にも若くてイケメンだったのだ。
「ねぇ、美咲。すごいイケメンの先生じゃん。美咲の好みのタイプじゃない？」
　私は小声で嫌みを込めながら言った。美咲は年上好きで結構な面食いだった。
「結構好みかも。私、狙っちゃおうかな」
　二人して笑いながらくだらない話をして、ＨＲが始まった。ＨＲでは大量の配布物が配られ、今日の日程や授業が始まるまでの日程などを説明された。
　ＨＲが終わり休み時間に入ると、美咲が私に話しかけてきた。
「ねぇ、彩香。今日学校終わったらカラオケ行かない？　せっかくこんなに同じクラスになったんだから、里穂とか皆誘ってさ」
「良いね。修二と秀も誘う？」
「誘おうよ。どうせあの二人暇でしょ」